Lifinity Protocol の紹介

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これは LIFINITY ProtocolIntroducing Lifinity Protocol という記事を日本語訳したものです。

2018 年に出現して以来、AMM は DeFi の中核的なインフラに成長し、誰でも数クリックでトレードやマーケットメイクができるようになりました。しかしながら、TVL と取引量は指数関数的に増加しているものの、基盤となる技術にはさほど進化がみられません。資本効率の悪さ/変動損失/高額な手数料などの問題点は未だに解決されておらず、トレーダーと流動性供給者の双方に、既存金融の世界ではほとんど存在しない不要な手数料がかかっています。

ここで Lifinity の登場です。

Lifinity とは何か?

Lifinity Protocol はコミュニティベースの分散型取引所で、資本効率を高め、変動損失を減らすために設計された、革新的なプロアクティブマーケットメイカーを搭載しています。

これらは、以下の要素によって実現されます:

1. 流動性の集中
2. オラクルを利用したプロアクティブなマーケットメイキング
3. リバランス機構

流動性を集中させることで、流動性供給者の資本効率を高め、トレーダーのスリッページを減らします。また、マーケットメイカーは、オラクルを利用して価格を決定するため、裁定者に頼らずに価格を調整することができ、それにより変動損失を低減します。最後に、リバランス機構は、プール資産のバランスがボンディング曲線に回帰することを保証しつつ、リバランスプロセスを遅らせることで利益を生み出します。

集中した流動性

集中流動性とは、一定の価格帯に資本を集中させることにより、市場に厚みを持たせる手法を指します。標準的なコンスタントプロダクト曲線 (x * y = k) のように 0 から無限大まで流動性を提供する代わりに、集中流動性においては、限られた価格帯で資本を提供することで、資本効率を向上させます。

集中した流動性

流動性を集中させる方法はいくつかありますが、私たちは k の値にレバレッジをかけるというシンプルかつユニークな手法を採用しています。これは、x と y にレバレッジ比率 L を乗じることで実現されます。

オラクルを用いたプロアクティブなマーケットメイキング

流動性を集中させることで資本効率は向上しますが、一方で変動損失のリスクも高まります。このリスクを最小化するため、プロトコルはオラクルを利用したプロアクティブなマーケットメイキングを行います。

オラクルを用いたプロアクティブなマーケットメイキング

私たちのプールは裁定者による価格調整に依存しないので、変動損失を大幅に減らすことができます。実際、安く買って高く売ることで、変動損失を逆に「変動利益」に変えることも可能です。さらに、Pyth Network のような Solana 上のオラクルは、約 0.5 秒のスロットごとにデータを提供しているため、裁定者がフロントランニングをすることは不可能です。

リバランス機構

上記の議論は、プロトコルが効率的なマーケットメイクをするには十分ですが、標準的なコンスタントプロダクトが備えている、二つの資産の価値が常に等しいという単純性を欠いています。利益を最大化しつつも、この性質を持たせるために、プロトコルは流動性を調整することでプールのバランスを修正します。この流動性の調整は、取引ごとに実行されます。たとえば、x の量が y の量よりも少ない場合、マーケットメイカーはバランスを保つために、x の買い手の流動性を減らし、x の売り手の流動性を増やします。これにより、トレーダーはプールに対して x を売るインセンティブを得る一方で、買いを控えるようになるため、プールのバランスがボンディング曲線に回帰していきます。

リスクはありますか?

はい、あります。予備テストでは良好な結果が得られているものの、他の集中型流動性プロトコルと同様に、流動性供給者が変動損失を被る可能性はあります。私たちチームは、プロトコルの安全性を確認するための包括的なテストを継続して実施し、プールへのデポジットを有効化する前に、すべての潜在的なリスクについて説明をする予定です。

コアバリューとゴール

Lifinity では、すべての人に公平で包括的なサービスを提供することを目指しています。これこそが、ユーザが最良の価格で取引できることを保証する唯一の方法です。

現在のところ、既存金融の機関投資家によるマーケットメイキングが主流ですが、私たちは、誰もがプロフェッショナルなマーケットメイキング戦略を利用できるべきであると考えています。Lifinity は、専門的な知識を必要とせずに、誰もが流動性を提供し、資産の利回りを得ることを可能にします。

Lifinity という名は、流動性 (liquidity) と無限 (infinity) に由来しています。当プロトコルは、プロアクティブなマーケットメイキングを行うことで、あらゆる種類の取引ニーズを満たし、実質的に無限大の流動性を提供することを目指しています。当プロトコルの目標は、流動性供給者の収益性を維持しつつ、中央集権型の取引所と同程度の低い手数料で持続可能な AMM モデルを構築することです。

金融をよりオープンでフェアなものにするための私たちの旅に、是非みなさんも参加してください!

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