What Is pSOL and Why It Helps Staked SOL Tokens — 日本語訳

Softgate Limited
7 min readAug 13, 2021

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この記事は Parrot Finance の What Is pSOL and Why It Helps Staked SOL Tokens という Medium 記事を日本語訳したものです。

Marinade と Parrot が一緒に料理中

Marinade が先日メインネットでローンチしたことで、とても簡単なプロセスで、SOL のステーキングを行い、 Marinade のステークプールにおける持ち分を表す mSOL トークンを作成できるようになりました。これにより、ステーキングのポジションとステーキングを行った特定のアドレスを結びつけておく必要がなくなり、ポジションはトークン化されて転送や取引が可能になりました。Socean, Chorus One, Steaking といった他の Solana 上のステーキングプロジェクトも近々ローンチされて、独自のステークプールトークン(以降 SPT と呼びます)が作成されるでしょう。

Parrot は mSOL を手始めに、SPT を担保として pSOL を借り入れられるようにして、トークンにロックされたユーザの価値に流動性を与えます。さらに、 pSOL-SOL と pSOL-PAI の取引ペアを用意して、pSOL に利用価値を提供していきます。

SPT を担保として pSOL を借り入れることの何が良いのでしょうか?mSOL のようなステーキングトークンを直接 DeFi で使えばいいのではないでしょうか?もし pSOL が存在しなかったら、SPT はそれぞれ独自の流動性ネットワークを構築しなければならず、各 DeFi プロトコルはそれらの SPT に個別に対応する必要があり、DeFi エコシステムの分断につながります。その結果、SPT が一つしかない場合と比べて、ユーザは高い手数料を払い、より大きなスリッページで取引し、また高い金利で借り入れることを余儀なくされます。

実際の例で考えてみましょう。Marinade (mSOL), Socean (SOCN), Steaking (stSOL) がそれぞれ 100K の SOL のステーキングを集めたとします。もし Parrot が存在しなければ、彼らは自分たちのトークンの流動性を自分で調達しなければいけません。各プロジェクトが 100K SOL の流動性を提供してくれるユーザを見つけたと仮定すると、それぞれのプロジェクトのプールには SPT が 100K、SOL が 100K 集まることになります。

pSOL が存在しない場合の状況

ここに Parrot が入るとどうなるでしょうか?これらの SPT がすべて Parrot にデポジットされ、ユーザは pSOL を借り入れます。再度、これらのプロトコルが 100K の SPT と 100K の SOL の流動性を集められたと考えれば、全体では 300K 近い pSOL と 300K の SOL が一つのプールにデポジットされることになります。

すべての SPT 共通の借入資産として pSOL が機能するケース

プロジェクトのプールがサイロ化されているときと比較して、流動性が 3 倍になるので、スリッページが大幅に減少します。実際、SPT を公開するプロジェクトは今後数十に増えていくでしょうから、SPT を pSOL に集約するメリットはより顕著になると考えられます。

pSOL にはどんなユースケースがあるか?

現在、DeFi で SOL を使用することは困難な問題となっています。というのも、SOL の実行可能なユースケースとしては、SOL をステークしたときの APR である 7% を超える高い利回りが必要になります。たとえば、PAI を借り入れるときに SOL 保管庫を使うのは資本効率が良くありません。なぜなら、SOL は 150% の担保率で資産を預ける必要があり、ユーザは預けている SOL のステークから得られたであろう利回りを放棄することになるからです。つまり、Parrot の SOL 保管庫で PAI を借りるという行動が経済的に意味をなすためには、最低でも 10.5% の APR が必要になります。

pSOL は状況を一変させるゲームチェンジャーです。担保にした SOL は既にステーキングによるイールドを得ており、pSOL から得られる追加のイールドは上にかけるソースのようなものです。

DeFi での pSOL の利用方法には、以下のようなものが考えられます:

  • レンディングプロトコルで担保として使用し、他の資産を借りてレバレッジや追加のイールドの機会を得る
  • 証拠金取引プロトコルでトレーダーに流動性を提供して手数料を得る
  • pSOL-SOL や pSOL-PAI の取引ペアに流動性を供給して手数料を得る

SPT から pSOL を借りることと PAI を借りることの違い

SPT の価値は SOL に対して常に上昇するため(スラッシングが発生した場合を除く)、pSOL の借入ポジションは常に担保が過剰にある状態で、時間の経過とともにさらに担保が増えていきます。そのため、強制清算が発生することはありません。そのような意味では、SPT から pSOL を借り入れることは、USDC を預けて PAI を借りるのとよく似ています。

一方で、SPT を担保に PAI を借り入れた場合、SOL の価格が下落すると、SPT の担保価値が借入額を下回って、強制清算が発生する可能性があります。つまり、pSOL を借り入れれば、清算されないように借入ポジションを管理する必要がなくなるわけです。

SPT の価値が増加すると pSOL の価値も増加しますか?

いいえ、増加しません。pSOL は 1 SOL にペッグするように設計されています。他の SPT(mSOL や stSOL など)は時間とともに SOL に対して価値が増加するでしょう。なぜなら、バリデータが受け取った報酬がプールに追加されて、ステークされた 1 SOL 当たりの償還できる SOL 数量が増えるからです。

pSOL は過剰担保の合成資産です。担保となるステークした SOL に価値が発生すると、pSOL 保管庫の担保率が上昇し、さらに多くの pSOL を借り入れることができるようになります。これにより pSOL と SOL はペッグを維持することができますが、ステークプールのトークンは徐々にペッグから外れていくことになるでしょう。

たとえば 100 stSOL を預けて、100 pSOL を借りたとします。一年後には 100 stSOL は約 106 SOL 程度の価値を持つことになります。担保の価値が上がったため、追加でさらに 6 pSOL を借りることができます。

まとめ

Parrot のこの機能追加により、ユーザは SPT にロックされた価値にアクセスする方法を手にするので、SOL をステークすることに積極的になり、Solana の安全性を高めることができます。

ユーザが SOL をステークしてトークンを受け取ることができるようになった今、SOL をステークしない理由はほとんどありません。ステークしない理由があるとすれば、ステーク報酬と pSOL を使ったイールドファーミング以外の SOL の使い方でさらに高い APY を実現できるときくらいです。

そのため、基本的には誰もが SOL をステークして価値の希薄化を避けようとすることが期待できます。そして、ユーザは SPT の流動性を利用したいと考え、その結果、多くの DeFi ユースケースにおいて、pSOL が SOL に変わる純粋な形の担保となっていくことが予想されます。

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