Why we invested in Orca — 日本語訳
本記事は、Sino Global Capital 社の Why we invested in Orcaという記事を、Sino Global Capital 社の許諾を受けて、日本語訳したものです。翻訳を快く許諾してくださった Sino Global Capital 社に感謝いたします。
なお、本記事で提示するデータおよび考察は、翻訳時に混入した誤りを除き、更新／修正／改良の予定はありません。
本記事は投資助言を意図するものではありません。
イントロダクション
分散型取引所 (DEX) や自動マーケットメイカー (AMM) は DeFi エコシステムの重要な要素です。現在では多くのユーザが DEX / AMM に頼って取引を行っており、この後説明するように、その傾向は高まる一方です。
DEX の月間取引量は、AMM がマーケットに登場して以来、増加の一途を辿っています。最近の中央集権型取引所の KYC 要件の増加を受けて、一部のユーザは他の選択肢を求めて DEX に辿り着きました。このように、DEX の取引量は今後も着実に増加し、それに伴って DEX で発生する手数料も増えていくことが期待されます。
ここで、Sino は Solana エコシステム上の分散型 AMM である Orca への投資を発表いたします。この投資レポートでは、DEX / AMM の未来と、Orca が多数の競合に挑んで捕食者の頂点に君臨する方法に関して、私たちの見通しをご説明したいと思います。
なぜ Orca か？
Orca は人間中心のアプローチを重視しており、拡大し続ける複雑な DeFi の世界に、誰でも簡単にアクセスして利用できるようにしてくれます。優れたユーザ体験により、新しいユーザはすぐに馴染み、そして何度も利用するようになります。アインシュタインの言葉を借りれば「物事は可能な限りシンプルにすべきだが、シンプルにしすぎてもいけない」ということです。これは人間を中心に据えた DEX である Orca の理念であり、AMM の基本的な体験を、すべてのトレーダーにとってよりシンプルでより良いものにします。それだけでなく、Orca は、あらゆる AMM にとって大切な点、すなわちコンポーザブルであることと高い資本効率にも重きを置いています。
Orca が Solana 上に構築することを選択したのは、Solana が提供する本質的に低い手数料やほぼ瞬時に完了するトランザクション、そして開発者のエコシステムを促進する能力を備えた強力なチームが、最高のユーザ体験を実現すると考えたからです。エコシステムとしての Solana の成長は、最近の TVL (ロックされた資産価値; Total Value Locked) の増加によっても証明されています。
主な差別化要因
Solana のエコシステムの中には多くの AMM が存在し、熾烈な競争が繰り広げられています。
Orca は、人間中心の UX で他の AMM に対抗しています。以下のスクリーンショットは、Orca のスワップ画面です。そこには、ユーザが安心して取引を行うための、一見すると些細なことのようで実は重要なポイントをいくつも見つけることができます。
- スワップの前後における取引トークンのおおよその価値が表示されています。
- Fair Price Indicator は Orca の提示価格と Coingecko （および将来的には他のサービス）などの価格トラッカーが提示した価格との差を表示します。これは、ユーザが取引に際して、価格が期待した範囲に収まっているかどうかを判断するために便利です。
- Price Impact Indicator は取引時に発生するスリッページを示します。
- これらのインジケータがすべて許容範囲内であれば、Orca は大きな緑色のチェックマークを表示し、その取引には問題がないことを知らせます。そうでない場合には、レート警告やスリッページ警告が表示され、ユーザは取引を続行するかどうか判断することができます。また、価格が有利なときには Great Price と表示されます。
- そのほかの関連情報もすべて隠すことなく表示されており、ユーザは手数料のパーセントや流動性供給者に支払われる手数料の金額などを見ることができます。これは、そのような情報を表示しない AMM とは対照的です。
Orca は基本的な AMM のスワップに加えて、LP の手数料を (0.06% に) 大幅に引き下げてスリッページも少なくしたステーブルスワップを導入しており、この分野の他の AMM との競争力を高めています。
AMM で重要なのは流動性です。 AMM が流動性供給者から強力な支持を得ると、スリッページが少なくなるため、より良い価格でのスワップが可能になります。トレーダーやアグリゲーターは、エコシステム内で最良の価格を探すため、価格が良ければ取引も増えることになります。取引が増えれば、流動性供給者はより多くの手数料を得ることができ、結果として、より良いリターンを得ることになるため、さらに多くの流動性供給者が参入します。こうして好循環が生まれるわけです。
もちろん、すべての AMM がこの好循環を生み出すための同じコンセプトを持っています。Orca の特徴は、その優れたユーザ体験にあります。Orca の流動性供給者になるのは驚くほど簡単で、必要なことと言えば、希望するプールのトークンを同額だけ用意したら、あとは Deposit ボタンをクリックするだけです。
この単純化されたデポジット方法は、一般的な AMM の流動性供給プロセスからいくつかのステップを省略したものです。参考までに、他の AMM では、流動性供給者はまずトークンを流動性プールにデポジットし、プールの持ち分を表す LP トークンを受け取ったら、今度はそれをファームに預けてイールドを稼ぎます。Orca では、こうした手間を省き、すぐにデポジットして収益を得ることができます。この便利な機能によって、時間が短縮され、特に新しいユーザの体験を簡単にします。
Orca のもう一つの素晴らしい点は、そのコンポーザビリティです。Orca は Orca SDK v1.1.5 をリリースしており、他のプロジェクトは容易に Orca を DeFi の構成要素として利用することができます。コンポーザビリティは常に DeFi の重要な機能であり、プロジェクトが基本レイヤーになって、その上に他のプロジェクトを構築することを可能にします。「早く行きたければ一人で行きなさい。遠くへ行きたければ一緒に行きなさい。」ということわざがあります。Orca が SDK にもっと多くの機能を搭載すれば、他のプロジェクトは Orca を利用して、次世代の製品を構築し、Orca とそのユーザに価値を還元するという Win-Win の状況を作り出すことができるでしょう。
初期の頃には、Orca は、Orca を早期に利用してくれたことの記念として、Collectibles というかわいらしい NFT トークンを配布して、コミュニティの立ち上げを支えました。今後も、Orca のコミュニティメンバーの忠誠心とコミュニティへの関与に報いるための NFT プロジェクトが計画されているので、ご期待ください。
チーム
Orca を率いているのは Ori と Yutaro です。Ori は Stanford でコンピュータサイエンスを学んだ後、様々なスタートアップ企業やデザイン会社を経て Orca を立ち上げました。彼女が持つ数々のスキルセットは、エンジニア／デザイナー／そして Orca の共同設立者としての仕事をこなす上で、とても貴重なものとなっています。Yutaro はクリプトのベテランで、2017 年からクリプト業界にフルタイムで携わっています。Eth 2.0 へのコントリビューションから UMA のスマートコントラクト開発まで行った後、現在は Orca のコアエンジニア兼共同設立者として活躍しています。本記事執筆時点で Orca は Google, Amazon, IDEO や McKinsey といった各所から来たエンジニア／ビズデブ／オペレーションなど 10 名のコアチームから構成されています。
ORCA トークノミクス
ORCA の完全なトークノミクスについてはこちらを参照してください。
トークノミクスの観点から、Orca を際立たせるいくつかの重要なポイントがあり、それが Orca ブランドの強いストーリーを形成するのに役立っていると考えています。
スワップから得られる手数料は次のような構造になっています：
- 0.25% — 流動性供給者
- 0.04% — Orca 基金
- 0.01% — Orca インパクトファンド
収益の一定割合を現実世界にポジティブな変化をもたらすために捧げるプロジェクトは珍しいと言えます。Orca インパクトファンドは、チームの努力の貢献であり、四半期ごとに気候変動対策のために寄付されます。ユーザは、手数料の一部が世界にポジティブな変化をもたらすために使われることを知って、よい気分で Orca を利用することができます。
Orca は、Solana でフェアローンチを行った数少ないプロトコルの一つでもあります。彼らの意図的な展開により、コミュニティは過去に遡って報酬を得ることができ、公正な価格で ORCA トークンに最初にアクセスすることができました。これは、 Orca の将来にとって非常に良い兆候ともいえる、強力なコミュニティを構築して維持するためにプラスに作用します。
Orca のもう一つの特徴は、トークンをコミュニティに配布するというコミットメントです。
ORCA ガバナンストークンは、Orca プロトコルの長期的な健全性をサポートするために設計されています。したがって、トークンのほとんどは、Orca を大きく発展させるために、より多くのコミュニティやプロトコルの支持者に配布されます。一般的に、トークンが広く配布されるプロジェクトにおいては、ユーザは自分の投票が重要であり、一部のクジラの投票だけに依存していないと信じているので、ガバナンスプログラムへの参加率が高くなる傾向があります。
結論
私たちは、Orca が重要な AMM となり、Solana エコシステムの成長、そしてさらには気候変動との戦いに大きく貢献してくれると信じています。Orca は、人間を中心とした革新的なアプローチで製品を開発しているので、Orca の強力なユーザ層は今後も増加していくでしょう。Sino は両者の発展を楽しみにしており、Orca を全面的にサポートしていきます。
免責事項：本コンテンツは情報提供のみを目的としており、そのような情報やその他の資料を法的、税務的、投資的、財務的、またはその他のアドバイスとして解釈すべきではありません。ここに掲載されているいかなる情報も、Sino Global Capital または第三者のサービス提供者による、本国またはその他の管轄区域の証券法で違法となるような証券またはその他の金融商品の売買の勧誘、推奨、保証または申し出を意味するものではありません。
