Solana バリデータ 始めます
こんにちは、ソフトゲートです。
いつもは Solana 関連の英語記事を日本語訳して Medium に掲載したり、Solana エコシステム内のいくつかのプロジェクトでコミュニティ運営などをお手伝いしたりしています。
普段 Parrot 親分のツイートに乗っかってしようもないことを呟きながらも、心の中では Solana に微力ながら貢献したいと真剣に考えています。
さて、そんなわけで(?)このたび Solana バリデータノードの運営を開始することにしました 🔥
これに関して、是非ともみなさんのご協力を仰ぎたく、バリデータの運営を始めた背景などを、ここで説明させてください。
バリデータとは何か
えーと、これは説明が長くなるので、この記事では割愛します 😅
ただし、バリデータの運営が軌道に乗ってきたら、Solana やそもそも仮想通貨を初めて利用するというライト層もターゲットにした動画や解説記事をご用意していくつもりです。
バリデータを始める理由
私がバリデータの稼働を始める理由を一言で言えば、
Solana ネットワークの分散性の向上
に少しでも貢献したいからです。以下では、これをもう少し具体的に説明していきたいと思います。
バリデータの数とステーク量を増やす
$SOL のステーク量の面で考えると、2021 年 8 月 13 日現在、トップ 18 のバリデータの合計が、バリデータ全体のステーク量の 33.3% を超えるため、Minimum Security Group と呼ばれるこれら 18 のバリデータが止まっただけで、Solana ネットワーク全体の機能が停止してしまいます。
これを改善するため、まずは単純に「バリデータの数を増やす」のも、もちろん重要なことです。
しかし、弱小バリデータの数がいくら増えたとしても、上位 18 のバリデータによる累積ステーク量が 33.3% 以上を占めている状況を変えない限りは、本質的な問題解決にはつながりません。
したがって、単に弱小バリデータのノード数を増やすだけではなく、それらのステーク量を底上げして、全体的にバリデータノードのステーク量を平均化することが理想的です。
地理的に分散させる
また、一般に Solana のバリデータは、コンピュータおよびネットワーク/ストレージの要求スペックがかなり高いので、自宅に置いてあるちょっと高級な PC 程度ではバリデータの役目を果たすことができません。
そのため、通常はバリデータノードを、データセンターに配置された高性能なサーバ機の上で稼働させます。
データセンターは国や地域によって利用料金にも開きがあり、比較的料金が安価なデータセンターにノードが集中する傾向がありますが、もしそのデータセンターの周囲で何らかの障害が発生してネットワークから孤立した場合、やはり全体としての Solana ネットワークの機能が損なわれる可能性があります。
つまり、Solana の分散性の観点からは、こうした地理的な集中化も望ましくないわけです。
最近の流れ
正直にお話しすれば、個人が SOL のステーキングをする場合、現在では単一のバリデータにデリゲートするよりも、Marinade Finance のようなステークプールを利用したリキッドステーキングがお勧めです 😅
たとえば、Marinade で SOL ステーキングすれば
- Marinade が自動的に良さげなバリデータにデリゲートを振り分けてくれるので Solana の分散性の向上に寄与する
- Marinade で SOL をステーキングしたときに受け取る mSOL トークンを他の用途に使うことで資金の運用効率が高まる
という二つのメリットが得られます。
資金運用の観点から言うと、二番目のメリットは非常に大きくて、従来は ステーキングすると SOL が拘束されていたところ、現在ではトークンの形で流動化できるようになりました。
たとえば、mSOL を Parrot Finance の担保資産にすれば、他の資産を借り入れて、さらに別の投資戦略に活用することができるわけです。
※ただし、これは実質的には手持ちの資産にレバレッジをかけて運用していることになりますから、リスク管理には十分ご注意ください。
ソフトゲートのバリデータについて
以上を踏まえると、大量の資金を持った主要なバリデータに依存するのではなく、小規模な企業や個人がなるべく地理的にも分散させながらバリデータノードを立ち上げて、ノード数とステーク量を増やしていく必要があります。
特に現在は、日本を含むアジア圏のバリデータノード数はまだまだ少ないため、アジア圏でのバリデータ運用には相応の大義名分があると考え、微力ながらも Solana ネットワークに貢献するために、バリデータノードの立ち上げを決心しました。
バリデータの収入についてお話しすると、積極的に利益を出すことは目的としていません。とはいえ、自己資金でステークした SOL から得られる利回りくらいは確保したいので、徴収する手数料でバリデータノードのランニングコストが賄えるくらいのステーク量を集められれば大成功と考えています。
ロケーション
当面は、コスト的には北米よりも少し割高ではあるものの、バリデータが少ないシンガポールのデータセンターで稼働させることで、地理的な分散化に貢献したいと思います。
ただし、準備が整い次第、コストに関しては割高になったとしても、是非とも東京データセンターで稼働させたいと考えています。
手数料
一般にバリデータは、ステーキングの報酬の一部を手数料として徴収します。他人のステークをあてにしていないバリデータは 100% に設定されていますが、圧倒的に多いのはやはり 5–10% くらいです。それ以下の手数料率が設定されているノードの中には、ステークを集めるために期間限定で手数料を下げているものもあります。
さて、先ほども述べたとおり、ソフトゲートのバリデータは、手数料による収益を主目的としていません。収益が主目的ではないと主張する以上は、その姿勢を証明するために、手数料は極力抑えたいのですが、ランニングコストくらいは捻出したいため、手数料は 1% を予定しています。
手数料が低いと言うことは、もちろん、デリゲートしてくださる方への報酬が他のバリデータよりも多くなることを意味します。
残念ながら、巨額の資金を持ったクジラさんではないので、将来的に手数料を 0% まで下げられるかどうかは分かりませんが、状況を見ながら、なるべく利用者の方にメリットがある形で運営をしていきます。
サーバのメンテ
バリデータを稼働させるサーバのメンテや管理は、バリデータ運用の豊富な実績を持つ GenesysGo にご協力をいただきます。
したがって、バリデータノードがしょっちゅう落ちたりして、ステーク報酬が十分得られないといった問題が起きることはまずないと思っていただいて大丈夫です。
サポートについて
基本的に SOL のステーキングは、一度バリデータにデリゲートしたら、後は放置しておくだけなので、サポートが必要となることは滅多にないと思いますが、ステーキングを始めるときや解除するときの手順、そしてそのときのロックアップ期間などの注意点は、日本語のドキュメントをご用意するつもりです。
また、ご質問やご要望があれば、日本語でいつでもお気軽にお問い合わせください。
ちなみに、資金の安全性に関しては、バリデータへのデリゲートは非常に安全です。ステーキング開始/終了時の拘束期間が最大三日ほどあるという不便さはありますが、バリデータにはデリゲートされた資金に触れる権限はないため、みなさんがステーキングした資金の安全性は確保されています。
おわりに
Marinade のようなステークプール/リキッドステーキングのプロジェクトがメインネットで稼働しはじめた現在では、個人が特定のバリデータにデリゲートする時代ではなくなりつつあると言っても過言ではなく、実際に私も Marinade の理念に賛同して日本語コミュニティのお手伝いをさせていただいています。
しかし、だからといってバリデータノードを増やさなくていいというわけではありません。Solana の分散性をさらに高めるためには、むしろ今後もさらに多くのバリデータノードに立ち上がってほしいところです。
ステークプールによって、前述のステーク量の平均化には改善が見られると思います。しかし、地理的な集中に関しては、ステークプールだけでは対応に限界があります。こればかりは、バリデータが少ない地域に、地道にバリデータを増やしていくしかありません。
もしご協力いただけるのであれば、みなさんが保有している SOL を、すべてでなく一部でも構わないので、ソフトゲートのバリデータにデリゲートして、ステーク量の増加に力を貸してください。
また、ソフトゲートのバリデータは地理的にも集中していない有利なロケーションで稼働させるため、ステークプールのバリデータ評価でも比較的高いスコアを出せると思います。結果として、みなさんが Marinade や Socean といったステークプールに SOL をステークしていただければ、間接的にソフトゲートのバリデータにも、その一部が割り当てられるかもしれません。
実際にノードを稼働させる準備が整ったら、また詳細をアナウンスいたします。みなさんのご協力をお願いいたします 🙇♂️