Solana 上のデータ格納の摩擦点と $SHDW によるその解決方法

Softgate Limited
18 min readDec 27, 2021

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これは GenesysGoThe Friction Points of Storing Data on Solana and how $SHDW solves them という Medium 記事を日本語訳したものです。

この記事の内容

この記事では、2 大分散型ストレージプロバイダである Arweave と Filecoin の「摩擦点」について説明します。それらの摩擦点に言及しながら、Solana に特化して最適化された唯一の分散型ストレージソリューションをローンチする GenesysGo が、近日提供予定の Shadow Drive および $SHDW トークンによって上記の摩擦点をどのように解決するかをご説明します。

この記事は、$SHDW IDO(日本時間 2022 年 1 月 3 日 23 時)に参加を検討している方に、Solana 上の分散型ストレージの現在の状況と、Shadow Drive および $SHDW トークンが将来の Solana のスケーリングと成功のために不可欠である理由を理解していただくことを目的とします。

これまでの流れをご存じない方へ・・・

みなさんはこれまでに GenesysGo IDO や $SHDW トークン、そして Solana に最適化された分散型ストレージソリューションである Shadow Drive についてお聞きになったことがあるでしょうか。

もしご存じないようであれば、この記事の内容を補うための参考となる資料をいくつかご紹介します。本記事の多くの部分は、これらの資料を既に読んだり観たりしたことがある人を対象として書かれています。

https://www.youtube.com/results?search_query=genesysgo — まずは、 “GenesysGo” で検索をしたときに現れる YouTube 動画のリストが挙げられます。

その中から厳選したものをいくつか紹介しましょう!

Knox Trades と私は GenesysGo, $SHDW, Solana そしてインフラ全体に関して、長くて内容の濃い議論をしました。どこから手を付けたら良いか分からないという方は、$SHDW IDO に参加すべき理由を誰でも理解できるように分かりやすく解説したこちらの動画をご覧になるとよいでしょう。

最近公開されたこちらの動画では、重要なポイントを的確に捉えて、短時間で簡潔に説明してくれます。

訳注:上記の記事の日本語訳

最後に、私たちが取り組んでいるすべてのことを網羅した完全なガイドとして、この Medium 記事を参照して下さい。

それでは、Solana ネットワークで分散型ストレージソリューションを利用する際の最大の摩擦点と、GenesysGo の Shadow Drive がそれをどのように解決するのかを説明していきましょう。

「摩擦点」とは何か

まず、用語に関して、みなさんと認識を揃えておくことが大切です。摩擦点とは、特定のプロジェクトやサービスの利用において、ユーザ体験に悪影響を与え、ユーザに摩擦を発生させる箇所や要因を指します。

摩擦点が多ければ多いほど、ユーザの摩擦は大きくなり、ユーザがそのシステムを継続的に利用する可能性は低くなっていきます。

一方、摩擦点に対処し、全体的なユーザの摩擦を低減したシステムは、摩擦の大きなシステムから市場シェアを奪い、大勢のユーザに採用されていく可能性が高まります。

Shadow Drive の開発理念

Arweave と Filecoin は高価で、使いにくく、アクセスしにくく、Solana ブロックチェーンのエコシステムでの利用という点では信頼性に欠けることが明らかになっています。

覚えておいていただきたいのは、この記事は Solana ブロックチェーンを念頭に置いて書かれているということです。私たちは Arweave や Filecoin を置き換えるものを作ろうとしているわけではありませんし、彼らの市場シェアに対抗しようとしているわけでもありません(少なくとも現在のところは・・・)。

私たちが言いたいのは、Solana 上で開発する人たちにとって、Arweave と Filecoin は信頼性の低いソリューションだと証明されているということです。

これを踏まえた上で、Shadow Drive の理念はシンプルです・・・

  1. コストパフォーマンスに優れ、アクセスが容易なソリューションであること
  2. 速度と信頼性、そしてSolana のスループットを処理できるように最適化されていること
  3. ユーザ体験はシンプルかつシームレスであること

容易なアクセス

もし、あなたが Solana 上の開発者で、データを Arweave や Filecoin に保存しようとしたら、彼らのネイティブトークンである $AR または $FIL を保有している必要があります。

さて、あなたは Solana 上の開発者で、プロジェクトのデータを保存しておくストレージが必要になったとします。Arweave はデータを永久的に保存してくれると聞いたので、あなたはそこにデータを保存しようと考えます。それには、$AR トークンが必要です。

お気に入りの Solana DEX やスワップをチェックしてみると、$AR を扱っているところはありません。そこであなたは次に FTX をチェックし、無期限先物 AR-PERP を見つけます。

あなたは次に Google で検索をします・・・。

もうだいたいお分かりですね・・・。

Filecoin はどうでしょうか?こちらも Solana の DEX やスワップでは扱われていないので同じ問題に直面します。また FTX をチェックしてみますか?

無期限先物と先物しかありません・・・Google はどうでしょう?

$AR も $FIL も Solana の SPL ネイティブではないので、単純に Phantom ウォレットに入れてそのまま使うというわけにはいきません。どこか他のブロックチェーンネットワークで入手するために、高いガス代や遅いトランザクション処理速度などの苦痛に耐えることを余儀なくされます。

$SHDW トークンは Solana ネイティブなトークンで、複数の DEX で取引され、Phantom などの Solana ウォレットに格納でき、安価なトランザクション手数料しかかからない Solana エコシステム内で安全に取引できます。

アクセスの容易さは、Shadow Drive が多くのユーザに普及するかどうかを考える上で非常に重要です。Solana ネイティブトークン(かつ Solana エコシステムにおける唯一の分散型ストレージユーティリティトークン)である $SHDW トークンおよび Shadow Drive は、分散型ストレージに関する大きな摩擦要因を即座に取り除きます。

信頼性

Solana で最大の RPC プロバイダとして、私たちは 100 を超える NFT セールにインフラを提供してきました。NFT プロジェクトが私たちのネットワークに接続すると、しばしば「ネットワークに問題があるのではないですか? NFT のメタデータをArweave にアップロードする際にトランザクションが何度も失敗するのですが」という質問を受けます。

いえ、原因は Solana の RPC サーバではありません・・・問題は Arweave 側にあるのです。ここで説明した問題の根本原因は Filecoin と Arweave どちらにも当てはまるのですが、これ以降の説明では記事の長さを抑えるために Arweave についてのみ言及します。

さて、何故これらの Arweave トランザクションは失敗するのでしょうか? Solana と比較すると Arweave の最大速度はかなり低いのです・・・

5K TPS では Solana には不十分です

これを Solana と比べてみると・・・

何を言おうとしているかお分かりですか?

ブロックチェーンが遅れをとり、ブロック構築速度が十分でないために送られてくるトランザクション要求を処理しきれなくなると、これらのトランザクションの多くが失敗し、再送信しなければなりません。

Arweave は独自に開発したコンセンサスメカニズム(Proof of Access)を採用しており、すべてのデータは Arweave に保存される際にこのコンセンサスメカニズムを通過する必要があります。問題は、これによって Arweave のトランザクション処理能力が著しく低下し、Solana に付いてこれなくなることです。なぜなら、結局のところ Solana の処理速度に付いてこれるのは Solana 以外にないからです。

その結果、Solana から Arweave ネットワークへのデータアップロードにおいては多くのトランザクションが失敗し、失敗したにも関わらず $AR トークンだけは支払わなければなりません。5,000 個の NFT のメタデータをアップロードするのに、トランザクションの失敗のせいで、10,000 個アップロードするのと同程度の手数料を払う状況を想像して下さい。

Shadow Drive がこの問題にどのように対処するかを理解するためには、「Solana の処理速度に付いてこれるのは Solana 以外にない」という言葉を思い出して下さい。Shadow Drive は、既に Solana のコンセンサスメカニズムを通過した情報をさらに別のメカニズムに通すようなことはしません・・・Proof of History のメカニズムは既に存在している最先端の技術であるというのに、なぜわざわざそんなことをするでしょうか?

代わりに、Shadow Drive は、私たちが「コンセンサスの整合性の維持」と呼ぶものに焦点を当てます。私たちの経験は Solana のバリデータと RPC インフラに深く根ざしており、Shadow Drive のアーキテクチャは、Solana 自身が既に構築しているデータストリームをうまく利用するように設計されています。

Solana のバリデータノードは、既に完全に安全な UDP ポート接続を使った相互通信をしています。これらのポートのデータは既にハッシュ化(暗号化)され、シャード化(いくつかのコピーに分割)され、有効なデータであることが検証されています。私たちは過去 9 ヶ月間、このデータの流れるトンネルやパイプに深く入り込んで、RPC ネットワークを介してデータを保存できるようにするためのインフラを整備してきました。

Arweave と Filecoin が Solana のデータを保存する際に信頼性の問題を抱えている原因は、Solana に統合するアーキテクチャが根本的に間違っている点にあります。

一方、Shadow Drive は、Solana ネットワークの上に構築されているというより、もっと基礎的なレベルで Solana ネットワークに直接組み込まれています。これにより、信頼性に関する摩擦点が完全に解消されるのです。

ユースケースとコストモデルの柔軟性

最後に取り上げる摩擦点は、Arweave と Filecoin の両方が利用方法に関してどのように設計されているかという点に関連します。このセクションでは、まず Arweave について説明してから、Filecoin に話を進めます。

さて、Arweave のユースケースとは何でしょうか?Arweave はデータを永遠に保存するために構築されました。一度 Arweave にアップロードされたデータは恒久的に存在し、二度と変更することはできません。

ある春休みに撮影した恥ずかしい写真が突如不滅のものになるところを想像して下さい・・・

多くの場合、これは素晴らしいことであり、沢山のユースケースがあります。しかし、後で編集する必要があるデータを保存したい場合はどうすればいいでしょうか?もしくは、データは保存したいが、永遠に保存したくはないときはどうでしょう?残念ながら、Arweave はそのような目的で設計されたものではありません。

さらに、このモデルには柔軟性がなく、したがってコストにも柔軟性がありません。Arweave は 200 年分のストレージコストを前払いでユーザから徴収しますが、彼らはストレージコストがどのように推移するかを予測するためにかなり複雑な計算を行っています。

Arweave のストレージは半永久的に使えるように設計されているため、Arweave はストレージ 1TB あたり約 10,217 ドル相当の $AR を要求します(この価格は変動し、以下で示す価格は本記事執筆時点のストレージコストによるものです)。

ここで、Arweave の具体的な — そして私見ではとても限定的な — ユースケースを見てみましょう。あなたが文字通り永遠に(少なくとも料金を支払った 200 年間は)データを保存することを望んでおり、それを一切変更できない形で保存したいなら、Arweave はかなり優れていると言えます。 ・・・とはいえ、それは 200 年という年月がどのくらい長いかを熟慮するまでの話です。参考までに、200 年前といえば 1821 年ですが、この年、アメリカ合衆国はフロリダを 500 万ドルで購入しました。

そして、たった 84 年前のデータストレージといえば、こんな感じだったのです・・・

第三者が加わることでコンセンサスメカニズムが生まれるのでしょうか?

Arweave にデータを保存するための極めて高いコストに見合うためには、データを 200 年 Arweave 上に保管する必要があります。Arweave のイエローペーパーでも、このような考え方に言及しています・・・

最後のいくつかの文は少々手のひら返しのように感じられます

最終的には、Arweave のユーザは、使われることのない何年分ものストレージ費用を支払っている可能性が非常に高く、必要か不要かに関わらず、200 年分のストレージ費用を支払うしかありません。

一方、Filecoin は逆のアプローチを取っており、巨大 IT 企業のクラウドストレージに近いユースケースとコスト構造を構築しています。Filecoin のユーザはデータを保管してもらうために「レンタル料」を支払いますが、そのレンタル料はマイナー(Filecoin のノードを運営する人)が請求する料金に応じて変動します。

現在のところ、Filecoin のユースケースとコスト構造における摩擦点は Arweave よりも大幅に少なく、私たちは Shadow Drive のいくつかの側面を Filecoin を参考にしてモデル化する価値があると考えました。Filecoin の ICO と現在の時価総額は、間違いなく $SHDW がやろうとしていることに近いと私たちは考えていますが、時間の経過と共に Filecoin にも摩擦点が出てくると考えています。これは Filecoin が持っている売買マーケットプレイススタイルの構造に起因します。

ユーザは自分のデータを保管してくれるノードオペレータを見つけなければならず、ユーザとマイナーは支払うべきストレージコストに「同意」する必要があります。これは Ethereum でトランザクションを検証してもらおうとするユーザが、合意した価格でトランザクションを検証してくれるマイナーを見つけなければならないことに若干似ています。ガス代は Solana エコシステムが特に意識していることであり、マーケットプレイスがアーキテクチャの基本構造に組み込まれているために、マイナーが料金を引き上げればレンタル料が上がってしまうという現象は、Filecoin が対処できない潜在的なハードルと言えます。

Shadow Drive はデータの保存期間やデータの可変性/不可変性などを選択できる柔軟性をユーザに提供する一方で、Arweave や Filecoin および巨大企業のクラウドストレージよりも安い料金でストレージを提供できる固定コスト構造のために、「ガス代」スタイルのストレージマーケットプレイスを取り払いました。

チームと私は、真の Web3 的な考え方を念頭に置いて構築しているため、Arweave と Filecoin の両方のデザインを改善し、摩擦点を減少させることができます。Arweave と Filecoin はサービスと通貨の交換のみに焦点を当てたレガシーなビジネスモデルに基づいて構築されており、それがどちらにとっても阻害要因になっています。

最近 Twitter のスレッドにも書いたように、Web3 はインフラストラクチャーを提供するための多くの新しい方法を作り出し、計算資源を提供したり、費用を分担したり、提供されるサービスの普及を促進する方法を(Shadow Operator と呼ばれる)ノードオペレータに与えました。

Arweave の良い部分と Filecoin の良い部分を取り入れて Shadow Drive を構築することで、ユースケースとさらなる創造性/革新性/柔軟性を可能にするコスト構造を作り出しました。

そのコスト構造がどのようなものか具体的な数字を知りたい方は、前述のMedium 記事「GenesysGo $SHDW IDO 完全ガイド」をご覧下さい。

まとめ

先に述べたとおり、この記事の目的は Arweave と Filecoin 両方の摩擦点と、それらのソリューションがどちらも Solana エコシステムに統合するための意味のある努力をしていない理由を検討することでした。

Arweave と Filecoin の仕組みには根本的な設計上の違いがあり、それが Solana エコシステムの多くの部分にサービスを提供することを阻害しています。Solana に特化したシステムを設計しなければ、どちらの分散型ストレージプロバイダも Solana ブロックチェーンが生成するスループットやデータ量を処理することができません。

このように、複数の摩擦点があるために、最終的なユーザの摩擦が非常に大きくなり、それを解消する分散型ストレージソリューションに大きなチャンスが生まれています。

Shadow Drive と $SHDW トークンは Proof of History コンセンサスメカニズムと直接統合することで、Solana のスループットを処理するために特別に設計されています。さらに $SHDW トークンが容易に入手できることから、これまで $AR / $FIL の取得が困難なために Arweave / Filecoin を利用しようとしなかった新規ユーザも Shadow Drive に簡単にアクセスして利用することが可能になります。

Shadow Drive のアーキテクチャおよび経済モデルがこれらの摩擦点を取り除くことで、Solana のエコシステムは、これまで不可能だった方法でデータや情報にアクセスできるようになり、Solana ブロックチェーンは今後数十年にわたって拡張していくことが可能となるでしょう。

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