Lifinity トークノミクス パート 6: IDO とロードマップ

Softgate Limited
11 min readMar 25, 2022

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これは LIFINITY ProtocolLifinity Tokenomics Series Part 6: IDO and Roadmap という記事を日本語訳したものです。

パート 5 の記事では、各要素がどのように組み合わさって、Lifinity の凝縮されたトークノミクス全体が完成するかを見てきました。一連のトークノミクス記事を締めくくる今回は、最後の仕上げとして、LFNTY トークンの具体的な供給量と配分をご説明したいと思います。

要約

  • Lifinity は VC への割り当てを行わず、veIDO を通じてコミュニティから資金を調達します
  • veIDO においては、より多くの USDC を投資し、また、長い期間トークンをロックするほど、多くの veLFNTY を受け取ることができます
  • LFNTY の総供給量のうち 20% を veLFNTY として販売し、資金調達には $30M の上限を設定します
  • 調達した資金の大部分はプロトコル所有流動性として利用され、取引手数料とマーケットメイキング利益からの収益を生み出します
  • プロトコル収益は veLFNTY ホルダーに支給されるので、トークンは初日から明確なユースケースをもつことになります

目次

veIDO とは

veIDO は、参加者全員が VC になれる選択式の IDO です。

ただし、完全にアンロックされたトークンだけを販売する一般的な IDO とは異なり、パート 2 で詳しく解説した ve トークンも販売します。LFNTY だけでなく、むしろ主に veLFNTY を販売するので、投資家はトークンをロックする期間を選択することができ、これによって受け取るトークンの数量も変化します。

Solana でかなり一般的になった Mango 方式の IDO では、投資家は IDO プールにデポジットした USDC のシェアに比例してトークンを受け取ります。veIDO では、デポジットした USDC の額に加えて、トークンをロックする期間も考慮される — より多くの USDC をより長くロックすれば、より多くの veLFNTY を受け取る — という点において、少々異なる仕組みを採用しています。長くロックする人は、短期間のロックを選んだ人よりも安い価格で veLFNTY を購入することができるのです。

投資家の投資ホライズンに応じてトークンを分配するだけでなく、veIDO により LFNTY は初日からユースケースを持つようになります。特に、(パート 4 で説明したとおり)プロトコルの収益は veLFNTY のホルダーに分配され、パッシブな収入源を得ることができます。

トークンとリワードのページ(プレビュー)

veIDO の仕組み

ユーザは USDC をデポジットし、LFNTY をロックする期間を選択します。veIDO のために割り当てられた LFNTY が、以下の計算式で定まるユーザのウエイトに比例して分配されます:

ウエイト = D / (1 - (1/2) * (L/1460))

ここで、D はデポジットした USDC の数量、L はロック期間を日数で表したもの(最大で 4 年 = 1460 日)です。

この式の仕組みを簡単に見ていきましょう。1/2 は、まったくロックをしない人と比較したときの最大の割引率(つまり 50%)を意味しています。L/1460 の部分は、ユーザが選択したロック期間に応じて割引率を決定します。最後に、1 から割引率を引いた値で D を割って、ウエイトを算出します。

デポジットする USDC の量が増えれば、それに比例してウエイトも増えます。一方、ロック期間の増加は、比例ほどの大きな効果はもたらしません。最大期間のロックを選択する人は、ロック期間なし(LFNTY をアンロックされた状態)で購入する人に比べて、50% の割引を受ける(2 倍の LFNTY を購入できる)ことになります。0 から 4 年の間の任意のロック期間に対する割引率は、それらを線形に補間すれば算出できます。例えば、2 年のロック期間なら 25% の割引、1 年のロック期間なら 12.5% の割引といった具合です。

各ユーザに割り当てられた LFNTY は L 日間 veLFNTY としてロックされます。パート 2 のおさらいになりますが、数量 X の LFNTY を L 日ロックしたときに得られる veLFNTY の量は、以下の式で計算できます:

受け取る veLFNTY の数量 = X * L / 1460

私たちが用意する LFNTY-USDC プールは、ロック期間なしの人が購入した価格で初期化されます。したがって、すべての IDO 参加者は、LFNTY を(ほとんどの場合は veLFNTY の形で)その最初の市場価格以下で購入できることになります。

次の表は、様々な入金額とロック期間を持つ 4 人の参加者に 10,000 LFNTY トークンを販売する veIDO の結果を示しています。

(備考:IDO 直後に LFNTY を受け取るのはロック期間なしの人だけで、それ以外の人たちは veLFNTY を受け取ります。上の表の LFNTY の割当数量は、veLFNTY が完全にアンロックされたときに彼らが受け取る LFNTY の数量を表しています。)

ユーザ Doug はロック期間なしで、1 LFNTY = $4.17 という価格で購入しているので、これが私たちの LFNTY-USDC プールの初期価格となります。

veIDO がどのように機能するかをより直感的に理解したい方のために、様々な投資金額やロック期間によって割り当てがどのように変わるかを確認できるスプレッドシートもご用意しました。

資金調達

veIDO には 30M USDC の上限を設け、上限に到達するまでの先着順とします。全額を調達した場合、完全希薄化後の評価額 (FDV) は $150M から $300M の間に収まります。これは LFNTY を長期間ロックする投資家が多ければ、バリュエーションも高くなるためです。

調達額に上限を設ける最大の理由は、Lifinity が効率的に活用できる資金の量に限度があるからです。パート 4 で説明しましたが、ある一定以上に流動性が増えてくると、単位 LP トークンあたりの取引手数料が減少し始め、資本効率の低下を招きます。効率的に扱える資金の上限は徐々に増やしていきたいと考えていますが、当初から効果的に活用できそうな資金規模に合わせて IDO の上限を設定することにしました。

また、上限を設定することで、過度な投機による過大評価も避けられます。投資家は、比較的低いバリュエーションで購入できる確証を持って投資することができます。

Solana 上の過去の Mango 方式 IDO との比較

調達した USDC のうち、最初の 50 万ドルは、トレジャリーから確保された同等量の LFNTY とともに、LFNTY-USDC プールの初期流動性を提供するために利用されます。これにより、私たちのトークンに最初から流動性が確保され、それを外部の流動性供給者に依存しなくてよいことが保証されます。

残りの USDC のうち、20% はプロトコルの開発費に充てられ、80% はプロトコル所有流動性として Lifinity の流動性プールにデポジットされて、veLFNTY ホルダーに支給される収益を生み出します。veIDO が成功すると仮定すれば、LFNTY は私たちの DEX で生産的に活用される何億円もの資産によって裏付けられることを意味します。

トークンサプライ/割り当て/アンロック

LFNTY トークンの総供給量は 100,000,000 であり、割り当ての内訳は以下の通りです:

これまでに多くの関心は寄せていただきましたが、ベンチャーキャピタルへの割り当てを一切確保していない点は注目に値するでしょう。

Flare ホルダーへの割り当て分は、veIDO の後、ステーキング+クレーム方式で一年かけて分配されます。

チーム割り当ては、最初に六ヶ月のクリフを設けた 4 年間のアンロックで支給されます。

パート 1 で説明したとおり、現在のところは、トレジャリーの使い途として、プロトコル所有流動性 (POL) を拡大することのみを予定しています。パート 5 で触れたように、今後 veLFNTY ホルダーの投票によって、トレジャリーの新たな使い途が見つかるかもしれません。

その他の詳細

デポジットの受付は 4 月 22 日 15 時 UTC(日本時間 4 月 23日 0 時)に開始します。IDO に参加する人は、それから 24 時間以内に USDC を入金して下さい。 ※ 4 月 9 日から二週間延期されました。

私たちの veIDO は、Mango 方式の IDO と似ていますが、出金期間がありません。参加者は veIDO の期間中に USDC を入金しますが、一度入金した資金を引き出すことはできません。

また、各ウォレットは一つしか veLFNTY 残高を持てないので、もしユーザが異なるロック期間を持つ veLFNTY を複数のバッチで購入したいと思ったら、複数のウォレットを使用する必要があります。ユーザが USDC を一度入金し、その後、同じウォレットで再度入金するとき、最初の入金で選択したロック期間もしくはそれより長いロック期間しか選択できません。そして、二回目の入金のロック期間が一回目よりも長い場合は、一回目に入金した分のロック期間も、二回目のロック期間と一致するように変更されます。

veIDO で 4 年ロックされた veLFNTY を購入する際の割引率は、veIDO 以降に LP トークンで 4 年ロックされた veLFNTY を購入(パート 1 参照)する際の最大の割引率と同じです。言い換えると、veIDO は最大の割引を受ける機会を提供します。veIDO 以降、この割引率が適用されうるのは、実際にその割引率に到達し、かつそれを最初に購入することができた場合のみであり、もし誰か他の人が先に購入すると割引率は減ってしまいます。veLFNTY を確実に最大割引で購入する唯一の方法は、veIDO に参加することです。

ロックされたトークンを、アンロックせずに売却することを望むユーザは、(もし veLFNTY を 4 年ロックしていないのであれば)4 年間の再ロック後に xLFNTY へ変換して、それをマーケットで売却することができます(詳細はパート 2 をご覧下さい)。

ロードマップ

veIDO 前

  • ホワイトリスト/Flare ホルダーのデポジット受付開始
  • ホワイトペーパーのリリース
  • Tribeca 用の veLFNTY プログラム開発
  • veIDO プログラム開発
  • veLFNTY ホルダーへの報酬配布ツールの実装
  • LFNTY-USDC のコンスタントプロダクトプール作成

veIDO 後

  • veIDO の資金を流動性プールにデポジット
  • 目標流動性とダイナミックフィーの実装
  • LFNTY バイバックツールの開発
  • 流動性プール収益による LFNTY バイバックを開始
  • veLFNTY ホルダーに収益の分配を開始
  • Flare ホルダー向けの LFNTY 配布プログラム開発
  • LP トークンによる veLFNTY 販売ツールの作成
  • 排出割り当てを決める veLFNTY ホルダーの投票を実装
  • veLFNTY ホルダーへの賄賂の仕組みを構築
  • コード監査
  • オープンソース化

チームは既に上記のロードマップより先のことも考えていますが、あまり遠い未来のことまで性急に言及してしまうと、それがコミュニティ内で一定の期待を生み、プロジェクトが不必要に特定の道に縛られる可能性があります。したがって、刻々と変化する市場環境に適応する柔軟性を維持するため、選択肢は常にオープンにしておき、方向性がより確実になってからアナウンスをしたいと思います。

ここまで、私たちのトークノミクスの記事にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。私たちと同じように、みなさんも Lifinity がより大きな規模にスケールアップしていくところを楽しみにしていただけたら、私たちにとって望外の喜びです!

もし、未登録の方がおられましたら、是非 Discord のコミュニティにもご参加ください。私たちのプロトコルに関する最新情報を得るには、Discord が最適です。

それでは、veIDO でお目にかかりましょう!

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